BCP対策で「通信」が最後まで対策されにくい本当の理由

災害時に企業が最初に直面する“見えないリスク”とは
BCP(事業継続計画)という言葉自体は、今や多くの企業で当たり前に知られるようになりました。
非常食、非常用発電機、サーバーのバックアップ、安否確認システムなど、物理的・システム的な備えを進めている企業も増えています。
しかし、その中で意外なほど対策が遅れている分野があります。それが「通信」です。
災害時、最初に止まるインフラは“通信”である
過去の大地震・台風・豪雨災害を振り返ると、共通して発生しているのが以下の状況です。
・光回線が断線
・基地局の停電
・通信トラフィック過多による回線混雑
・復旧まで数日〜数週間
この間、企業はどうなるでしょうか。
・社員と連絡が取れない
・取引先と連絡できない
・クラウドにアクセスできない
・オンライン会議ができない
・受発注・決済が停止する
つまり「仕事をする手段そのもの」が奪われるのです。
固定回線が止まると、現代の業務は一気に麻痺する
今の企業活動は、
・勤怠管理
・会計
・顧客管理
・メール
・チャット
・Web会議
・クラウド保存
すべてがインターネットに依存しています。通信が止まるということは、業務基盤が同時にすべて停止するという意味なのです。それにも関わらず、
☑︎ 固定回線は1本だけ
☑︎ バックアップ回線はなし
☑︎ テザリング頼み
という企業が、実はほとんどです。
BCPにおける「通信対策」は“保険”と同じ考え方
災害は「起きてほしくないもの」です。しかし企業経営においては、
☑︎ 起きない前提で備えない
☑︎ 起きた時に初めて慌てる
というのが最も危険です。
通信のBCP対策とは、「使わないかもしれないが、無いと詰む保険」という位置付けになります。
モバイル回線を“非常用の命綱”として持つという考え方
そこで注目されているのが、クラウドSIM対応の法人向けモバイルWi-Fiです。
クラウドSIMとは、
☑︎ 複数キャリア回線を自動で切り替え
☑︎ 物理SIMが不要
☑︎ 電源を入れるだけで即通信
が可能な仕組みです。
固定回線とは完全に系統が異なるため、光回線が全滅しても通信だけは確保できる という特徴があります。
普段は使わなくていい。使うのは“万が一”の時だけ
BCP用途で導入される多くの企業では、
・普段は書庫や防災倉庫に保管
・災害や障害時にだけ起動
・必要拠点に配布
という運用がされています。つまり「日常業務用」ではなく「事業を守るための非常用インフラ」です。
BCP対策で通信まで整備できている企業は、まだ少数派
だからこそ今、
・製造業
・物流
・医療
・自治体関連
・IT企業
を中心に、「通信のBCP化」が一気に進み始めています。
まとめ:BCP対策の最後のピースは“通信”である
BCP対策は
☑︎ 食料
☑︎ 電力
☑︎ データ
☑︎ 人命
だけでは完成しません。
それらすべてを動かす“通信”があって初めて、本当のBCPが完成します。「備えているつもりだったけど、通信だけは盲点だった」そう感じた企業様こそ、今が見直しのタイミングです。



